元政治学者の どこ吹く風

アカデミックな政治学者には語れない日本政治の表と裏を元政治学者が大胆に論じ、将来の日本の政局を予測する。

解散先延ばし確定

解散先延ばし関連のニュースをいくつかピックアップしておく。

麻生総裁の下での総選挙という当初のシナリオ自体が消えてなくならないことを祈りたい。

時事通信から。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date4&k=2008102900437
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date4&k=2008102900473
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2008102900873
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2008103001105
(前略)
【消費税】財政の中期プログラムを年内に取りまとめる。年末に税制全般について、抜本改革の全体像を提示する。大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で3年後に消費税引き上げをお願いしたい。わたしの目指す日本は中福祉中負担だ。多くの借金を子どもたちに残していくことはやめなければならない。そのためには増税は避けて通れない。
 【衆院解散】解散の時期は、しかるべき時期にわたし自身が判断する。(国民の審判を仰いでいない麻生政権の正統性をどう考えるかに)ここは大統領制ではなく、議院内閣制だ。正統性には全く問題がない。世の中において、政局より政策、何より景気対策という世論の声が圧倒的に高い。少なくとも今の段階において、(第2次)補正予算案が通るか通らないか、国会の対応を見た上で、解散の時期はそれに関連してくる。政策を実現して、国民の生活不安に応える必要が優先順位からいうと一番だ。
(後略)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2008103001149
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2008103001169
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2008103000923
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2008103001196
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2008103100005

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/190893/
 麻生太郎首相が、かねて念頭に置いていた「11月18日公示、30日投開票」の次期衆院選を先送りし、金融危機への対応や経済対策を優先させる意向を固め自民党幹部に伝えていたことが28日、分かった。複数の与党幹部が明らかにした。ただ、民主党は国会審議を通じて早期解散に追い込む構えを見せており、首相は年内解散のタイムリミットとなる11月7日前後に最終決断を迫られそうだ。
(後略)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/191381/
麻生太郎首相は30日午後の記者会見で、追加経済対策の財源について、「赤字国債は出さない」と述べた。その上で、「大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたい」と、消費税率引き上げを明言した。
(後略)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/191522/

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/191807/
(前略)
 実はこの直前まで麻生は11月18日公示、11月30日投開票で衆院選に踏み切る考えを固めていた。自民党が9月下旬に行った世論調査は自民、公明両党を合わせてかろうじて過半数だったが、選挙戦を通じて挽回(ばんかい)できると踏んだのだ。

 10月9日に麻生からこの構想を聞いた菅は「いま解散すれば大敗しかねない」と必死に止めたが、麻生は聞く耳を持たず、翌10日夜には都内のホテルで自民党幹事長の細田博之と密会し、選挙準備を指示した。

 翌週にはこのうわさが漏れ伝わり、自民党は選挙モード一色となった。「このまま10月下旬に突入すればもう流れは止まらない」。そう考えた菅は16日を最後の説得のチャンスと踏んだのだ。

 16日を過ぎると麻生は次第に慎重姿勢に転じていく。この裏で株価が連日下落を続けたことも菅ら慎重派の後押しになった。

 10月28日、ついに日経平均株価は昭和57年以来26年ぶりに7000円を割り込んだ。これを知った菅はこうつぶやいた。

 「もし『10・26総選挙』になっていたら自民党は壊滅していたかもな…」

 麻生にとって解散先送りは苦渋の決断だったが、今後の与野党攻防を考えると「イバラの道」を選んだともいえる。
(後略)


僕としては、エリーティスト麻生の消費税上げの決断は実は大いに評価したいところなのだが、日本の有権者のデモクラシー圧力はその決断に対してマイナスの評価を与える傾向のほうが強いと思う。

解散の先延ばしもさることながら、抜本的税制改革の先延ばしも問題だ。